この記事では、支援員として現場に立つ中で出会った「強度行動障害」について、
私自身が戸惑い、学び、考え続けてきたことを体験談としてまとめています。
この記事で分かること(3点)
1. 強度行動障害が「障害名」ではなく、支援上の配慮が必要になりやすい「状態像」として扱われる理由
2. 行動の背景にある不安や困りごとに、現場でどのように気づいてきたか
3. 外出や送迎など、安全配慮が求められる場面で大切にしている考え方
※本記事は医療的な診断や判断を目的としたものではなく、
支援現場での一つの体験としてお読みください。
- 支援の現場で起きやすい緊張の場面と、安心につながる関わり
- 書くことを迷った理由と、誤解を避けるために大切にしたいこと
- 強度行動障害という言葉を、現場で初めて知ったとき
- 私の中にあった障害へのイメージと、気づいた思い込み
- 現場に立って初めて知った、支援が必要な多様な場面
- 強度行動障害は「状態像」として教えられたこと
- 行動の奥にある「言葉にしにくい困りごと」
- 小さなサインに気づくことの大切さ
- 環境の影響で、行動が変化することがある
- 外出や送迎は、安全配慮が特に求められる支援
- 送迎中に起きた出来事から考えた体制づくり
- 「安心できる人がいる」と感じることが支えになる場合もある
- 週末の夜勤で感じた、支援がつくる落ち着き
- 穏やかな時間を支える、見えにくい配慮
- 一人ひとりに合わせた関わりが安心につながる
- 行動の背景には、理由があることが多い
- 支援員自身のケアも大切だと感じる理由
- 大変さがあっても、この仕事を続けたいと思う理由
- まとめ:強度行動障害を知ることは安心につながる
支援の現場で起きやすい緊張の場面と、安心につながる関わり
支援の現場では、ときに強い緊張を伴う場面に出会うことがあります。
それは決して特別なことではなく、日々の生活支援の延長線上で起こるものです。
一方で、関わり方や環境の整え方によって、
その緊張が和らぎ、安心した時間につながることもあります。
私は支援員として、
「何が起きたか」だけでなく
「どうすれば安心につながったのか」
を振り返ることを大切にしてきました。
書くことを迷った理由と、誤解を避けるために大切にしたいこと
正直に言うと、この記事を書くまで何度も迷いました。
「強度行動障害」という言葉は、人によっては不安を感じやすい印象を持たれることがあるからです。
書き方を誤れば、利用者さんやご家族の気持ちを傷つけてしまうかもしれない。
現場を知らない方に、誤ったイメージを与えてしまうかもしれない。
そんな不安もありました。
それでも私は、
支援の現場で起きている出来事は、決して他人事ではなく、
社会の中で誰にとっても無関係ではないと感じ、書くことを選びました。
強度行動障害という言葉を、現場で初めて知ったとき
「強度行動障害」という言葉を、
私は支援員として働き始めてから初めて知りました。
それまで耳にしたことはあっても、
その意味を深く理解しようとしたことはなかったのです。
今振り返ると、
私は「知っているつもり」になっていただけだったのだと思います。
私の中にあった障害へのイメージと、気づいた思い込み
娘が保育園に通っていた頃、
ひとつ下のクラスにダウン症のお子さんがいらっしゃいました。
明るく挨拶をしてくれ、
運動会ではお母さまと一緒に一生懸命走る姿が印象に残っています。
また、近所のお店で働くダウン症の息子さんに声をかけると、
少し照れたように頭を下げて家に入っていく姿も心に残っています。
そうした経験から、
私は知らず知らずのうちに、
一つのイメージに寄せて見ていた部分があったのだと思います。
現場に立って初めて知った、支援が必要な多様な場面
支援の現場には、本当にさまざまな方がいらっしゃいます。
背景も特性も、一人ひとり異なります。
中には、不安や不快感が強まったときに、
大きな声が出たり、自分の体に強く触れる行動が見られる方もいました。
私は戸惑い、
「なぜ起きるのだろう」「どう関わればいいのだろう」
と悩むことが多くありました。
強度行動障害は「状態像」として教えられたこと
そんなとき、先輩職員が教えてくれました。
「それは、強度行動障害として説明されることがあるよ」と。
私が学んだ範囲では、
強度行動障害は特定の障害名ではなく、
日常生活の中で強い支援が必要になりやすい状態を指す言葉です。
体調や環境、不安、
「伝えたいけれど伝えられない思い」などが重なり、
行動として表れることがあると教わりました。
行動の奥にある「言葉にしにくい困りごと」
ある女性利用者さんは、
体の不快感が強いときに、そのつらさを言葉で伝えることが難しい方でした。
気持ちが限界に近づくと、
泣き出したり、自分の体に強く触れる行動が見られることがありました。
それは誰かを困らせたいからではなく、
「どうしていいかわからない」「助けてほしい」
という思いの表れだったのかもしれないと、私は受け止めています。
小さなサインに気づくことの大切さ
私が支援で大切にしているのは、
行動が起きる前の小さな変化に気づくことです。
表情が硬くなる、視線が定まらない、
手を頻繁にこすっている。
そうしたサインが見えることがあります。
忙しい中で気づくのは簡単ではありませんが、
「間に合った」と感じる経験が、
支援の見え方を変えてくれました。
環境の影響で、行動が変化することがある
強度行動障害として見られる行動は、
周囲の環境の影響を受けることがあります。
人の出入りが多い場所、
大きな音が続く空間。
そうした刺激が重なると、不安が高まりやすい方もいます。
環境を整え、短い言葉で気持ちを受け止めることで、
落ち着くきっかけになる場合もあります。
外出や送迎は、安全配慮が特に求められる支援
支援の中でも、外出や送迎は特に注意が必要な場面です。
車内は限られた空間で、状況によってはすぐに距離を取れないこともあります。
運転する支援員は、
利用者さんと自分自身、双方の安全に配慮する必要があります。
送迎中に起きた出来事から考えた体制づくり
ある日の送迎中、
利用者さんの不安が高まり、運転に支障が出かねない場面がありました。
支援員は無理をせず停車し、
安全を最優先に対応しました。
この出来事を通して、
送迎体制や座席配置、事前の見立ての大切さを
改めて考えるようになりました。
「安心できる人がいる」と感じることが支えになる場合もある
後から振り返ると、
その支援員は利用者さんから信頼の厚い存在でした。
不安が強まった瞬間に、
「この人なら助けてくれる」と感じた結果の行動だったのかもしれません。
それは危険を意図したものではなく、
助けを求める精一杯の表現だった可能性もあると感じています
週末の夜勤で感じた、支援がつくる落ち着き
後日、その支援員と週末の夜勤をご一緒しました。
生活リズムが変わりやすい時間帯でしたが、
その夜は比較的穏やかな空気が流れていました。
支援の積み重ねが、
場の雰囲気をつくることを実感した時間でした。
穏やかな時間を支える、見えにくい配慮
穏やかだったからといって、
支援員が気を抜いていたわけではありません。
細やかな観察や先読みがあったからこそ、
静かな時間が保たれていたのだと思います。

一人ひとりに合わせた関わりが安心につながる
その支援員は、一人ひとりに丁寧に関わっていました。
声かけの仕方、対応のタイミング、
記録の残し方にも、相手を思う姿勢が感じられました。
行動の背景には、理由があることが多い
同じ利用者さん、同じ支援員でも、
状況によって行動の表れ方は変わります。
その違いを生むのは、
安心感や人との関係性だったのかもしれません。
支援員自身のケアも大切だと感じる理由
支援員は支える立場である一方、
自分自身のケアも必要な存在です。
仲間との振り返りや、
相談できる環境があることで、
現場に立ち続けられると感じています。
大変さがあっても、この仕事を続けたいと思う理由
支援の仕事は決して楽ではありません。
責任の重さを感じる場面もあります。
それでも、
利用者さんの小さな変化や安心した表情に、
何度も励まされてきました。
まとめ:強度行動障害を知ることは安心につながる
強度行動障害を知ろうとすることは、
利用者さんの安心につながるだけでなく、
支援する側の安全や心の負担を軽くする助けにもなります。
完璧な支援は難しくても、
考え続ける姿勢そのものが支援の土台だと、
私は現場で学び続けています。
※困りごとが強い場合は、
所属先の管理者や専門職、地域の相談窓口と連携しながら進めてください。


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