トレッキング──私のセルフメンテナンス

支援する毎日のなかで、私が自然に助けられている理由

私のセルフメンテナンスは「トレッキング」

私のセルフメンテナンスは、トレッキングです。
実は私は、小さな頃から「海より山派」でした。

幼い頃、父によく連れて行ってもらったのが高尾山です。
特別な登山というほどのものではなく、ただ山道を歩き、途中で景色を眺め、自然の中に身を置く――そんな時間でした。
今思えば、あの頃から私は、高原や湖、木々に囲まれた場所に身を置くことで、心が落ち着く感覚を自然と覚えていたのかもしれません。

娘が小さかった頃は、埼玉県の秩父や武蔵嵐山、山梨などのキャンプ場によく出かけました。
テントを張り、バーベキューをし、夜はランタンの明かりの下で過ごす。
忙しい日常とはまったく違う時間の流れの中で、家族と自然を感じながら過ごした思い出は、今でも私の中の大切な宝物です。


無理をしない自然との付き合い方

最近は、正直に言えば、足腰の衰えも感じるようになってきました。
若い頃のように「どこまでも歩ける」という自信はありません。

先日も、小さな山へ出かけてきました。
登山クラブに所属している友人からは、
「登山はいいよ。登り切ったあとの、あの何とも言えない感覚が最高だから」
と誘われることもあります。

でも、私はそこまで気が進みません。
荷物も多くなりますし、危険も伴う本格的な登山は、どうしても身構えてしまいます。
それよりも、一人でのんびり、自分のペースで行けるトレッキングの方が、今の私には合っていると感じています。

山頂を目指す喜びももちろんありますが、私にとっては、
途中の景色を楽しんだり、道ばたの草木に触れたり、風や空気を感じたりすることも、同じくらい大切です。


トレッキングに向いている季節

トレッキングは、春や秋が特に心地よいと感じます。
寒すぎず、暑すぎず、自然の表情も豊かです。

冬は……正直に言うと、少しつらいですね。
先日、関西へ旅行した際、大学時代の後輩と六甲山にある神社を参拝したことがありました。
その日はとにかく風が強く、あまりの寒さに、途中までレンタカーで行ってしまったほどです。

そこからでも、その神社は崖の上のような場所にあり、スニーカーとしっかりした手袋がないと、とても歩けません。
手はかじかみ、トイレには行きたくなるし……長く滞在できる状況ではありませんでした。

本来なら、クマザサが生い茂る道を、ゆっくり歩きながらおしゃべりをし、空気を感じたかったのですが、
「今日は無理だね」と早々に引き返すことになりました。

夏は夏で、汗をかきますし、着替えも一枚は必要になります。
そんなわけで私は、自分のことを「なまぬるいトレッキング大好き人間」だと思っています。

でも、それでいいと思っているのです。
仕事で疲れた頭や体をリフレッシュするための時間なのですから、苦行である必要はありません。


トレッキングとは何でしょうか?

トレッキングとは、「移動する」「歩き続ける」という意味を持つ trek が語源だそうです。
登山とは違い、必ずしも山頂を目指すことが目的ではありません。

山や自然の中を歩きながら、景色や植物、空気の変化を楽しむ。
体力や年齢に関係なく、自分のペースで自然と向き合えるアウトドア活動――それがトレッキングです。


トレッキングの始め方:基本の服装

まずは、基本の服装です。

  • 肌着

  • Tシャツ

  • 長袖のシャツ

  • トレッキングパンツ(季節によってはジャージでも可)

  • トレッキングシューズ/スニーカー

  • 帽子

  • リュック/バックパック

一方で、あまりおすすめできない服装もあります。

  • 綿素材の下着

  • ジーンズ

  • ハーフパンツ

私は普段、綿素材の下着しか身につけないので、
「なぜ綿はダメなの?」と最初は思いました。

理由は、汗や雨で濡れたとき。
綿は吸水性は高いのですが、乾きにくいため、体が冷えやすく、低体温につながることがあるのです。

そのため、下着やTシャツ、トレッキングパンツは、吸湿速乾性のある素材がおすすめです。
ジーンズは丈夫ですが、ストレッチ性がなく動きにくいため、長時間の歩行には向きません。
ハーフパンツは、虫刺されや枝葉によるけがの原因になることもあります。


服装は「安心して歩くため」の準備

モンベルや好日山荘などの登山専門店では、機能性の高いウェアが揃っていますが、少し値が張ります。
私は、ワークマン女子などで、比較的お手頃な価格のものを選ぶことも多いです。

どちらのお店にも、知識のある店員さんがいるので、分からないことがあれば気軽に相談できます。
「安全に、無理なく楽しむ」ための準備だと思えば、服装選びも大切な時間です。


必ず持っていきたい持ち物

トレッキングで必ず持っていくものは、次の通りです。

  • 雨具(レインウェア)

  • 靴下の替え

  • タオル

  • ティッシュペーパー/ウェットティッシュ

  • 非常食・おやつ

  • ビニール袋

山の天気は変わりやすいため、雨具は必須です。
万が一濡れてしまったときのために、替えの靴下やタオルがあると安心です。
替えの下着があれば、さらに万全でしょう。

エネルギーチャージ用に、チョコレートや栄養補助食品を持っていくのもおすすめです。
山の中にはお店がありませんから、昼食をとるなら、おにぎりやパンなど携帯しやすいものが便利です。

ビニール袋は、ゴミを持ち帰るための必需品。
自然を汚さないための、大切なマナーでもあります。


あると便利な持ち物

さらに、あると便利なのが、

  • トレッキングポール

  • 救急絆創膏・常備薬

  • 保険証

  • スマートフォン用の携帯バッテリー

私は折りたたみ式のトレッキングポールを持参しています。
軽くて邪魔にならず、特に下山時や、雨で滑りやすい道では心強い存在です。

最初は「なくてもいいかな」と思っていましたが、一度使うと手放せなくなりました。


トレッキングの魅力──心と体が整う時間

自然の中に身を置くことには、森林浴効果があります。
植物のエネルギーに包まれ、心が静かにほどけていく感覚。

仕事や私生活、人間関係で抱えたモヤモヤを、そのままにしていては、前に進むことができません。
どこかで一度、リセットし、フラットな状態に戻る必要がある――私はそう感じています。

マイナスイオンを浴び、新鮮な空気を吸い、雄大な景色を眺める。
「ここまで歩いてきたんだな」という小さな達成感。

普段はスマートフォンとにらめっこの私も、トレッキング中にスマホを手に取るのは、
美しい景色や、珍しい植物を写真に収めるときくらいです。

開けた場所で腰を下ろし、目を閉じて、ただ呼吸に意識を向けることもあります。
木々のざわめき、鳥の声、川の流れる音。
日常では聞き流してしまう音が、はっきりと耳に届きます。

春に行者山を訪れたとき、松の新芽をひとつだけ分けていただき、ペットボトルの水に入れたことがありました。
その香りは、言葉にできないほど清々しく、心も体も浄化されるような感覚でした。

健康増進にもつながり、ストレス解消にもなる。
トレッキングは、今の私にとって、なくてはならない時間です。


初心者におすすめのトレッキングコース

関東近郊で初心者におすすめなのは、やはり高尾山。
整備された道が多く、安心して歩くことができます。

尾瀬は、吹き割の滝や湿原の景色が楽しめ、歩いたあとは温泉で体を休めることもできます。
秩父の長瀞、千葉の鋸山も、自然と歴史を感じられる場所です。
鋸山は、父も生前よく訪れていた思い出の山でもあります。

関西では、六甲山、比叡山、生駒山などが親しみやすいエリアです。
中でも、京都の鞍馬寺から貴船神社へ続く「木の根道」は、私のお気に入り。
自然と信仰が溶け合う、不思議な静けさがあります。


いつか行ってみたい場所

そして、いつか行ってみたい場所があります。
それは、縄文杉のある屋久島。

長期の休みが取れるかどうかが課題ですが、
「いつか行けたらいいな」と思える場所があること自体が、日々を頑張る力になっています。


あなたも、トレッキングを始めてみませんか?

この記事を読んでくださっている皆さん。
もし少しでも疲れを感じているなら、無理のないトレッキングを始めてみませんか。

頑張りすぎなくていい。
自分のペースで、自然に身を委ねる。

支援する側の私自身が、そうして心と体を整えています。

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