【現役支援員が語る】仕事のリアルなやりがいと、辛い時の乗り越え方

支援員をめざす方へ

支援員(生活支援員)の仕事は、利用者様という「人」と深く関わるお仕事です。 だからこそ、心からの喜びを感じる日もあれば、時には壁にぶつかり、心が折れそうになる瞬間もあります。

「支援員の仕事って実際どうなの?」 「大変な時はどう乗り越えているの?」

そんな疑問や不安を抱えている方へ。この記事では、現役支援員である私が現場で感じた「やりがいを感じる瞬間」と、正直にお話しする「しんどかった出来事・乗り越え方」をお伝えします。きれいごとだけではない現場のリアルを知ることで、少しでも働くイメージや安心感を持っていただければ嬉しいです。


支援員をしていて「よかった」と心から思う3つの瞬間

利用者様の「できた!」という成長に立ち会えたとき

支援員をしていて一番嬉しさがこみ上げるのは、やはり利用者様がご自身の力で何かを「できた」ときです。

たとえば、食事の際にスプーンがうまく使えず、手づかみで召し上がっていた利用者様がいらっしゃいました。 私たちは焦らず、手づかみになりそうなタイミングで「スプーンを持ってみましょうか」と優しく声をかけ続けました。すると少しずつスプーンを握る時間が長くなり、ある日ついに、最初から最後までご自身で食べることができたのです。

「すごいです! できましたね!」と思い切り褒めると、ご本人もとびきりの笑顔を見せてくれました。その小さな、けれど大きな一歩に立ち会えた瞬間、「この仕事を続けていて本当によかった」と胸が熱くなりました。

また、以前の記事でも触れた、排泄に関する課題(弄便など)を抱えていた女性のケースも心に残っています。 当初は場所を選ばず排泄してしまうことが多かったのですが、職員同士で連携し、排泄リズムを丁寧に記録。「そろそろかな」というタイミングでトイレへ誘導するサポートを続けました。もちろん失敗することもありましたが、決して責めず、焦らずに関わり続けました。

それから数年後。彼女がパッドの不快感に気づき、自らトイレへ向かう姿を見たときの感動は忘れられません。 「よくできましたね」と伝えると、にっこりと微笑む彼女。その表情を見たとき、まるで家族の成長を見守るような温かい気持ちになりました。

一見すると小さな変化かもしれません。しかし、諦めずに支援し続けることで「できること」は確実に増えていきます。その奇跡のような瞬間に立ち会えることが、支援員の何よりの喜びです。


ご家族や利用者様から「ありがとう」をいただけたとき

忙しい毎日の中で、利用者様やご家族からいただく「ありがとう」という言葉。その一言には、日々の疲れがスッと吹き飛ぶほどの力があります。

特に、ご家庭でのケアが難しい場合や、休息を必要とされているご家族にとって、私たちが提供する支援は大きな支えとなります。 送迎の際に「今日はこんな風に笑顔で過ごされていましたよ」とご様子をお伝えすると、「本当に助かっています」「おかげで少し休めました」と安堵の表情で感謝をいただけることがあります。その瞬間、「微力だけれど、誰かの役に立てているんだ」という実感が湧いてきます。

支援の結果はすぐには目に見えないことも多いですが、「あなたがいてくれてよかった」と言っていただける関係性は、私たち支援員にとっても大きな心の支えとなるのです。


困難な状況を「チームの連携」で乗り越えたとき

支援の現場では、一人きりでは対応しきれない突発的な出来事や課題に直面することがあります。そんなとき、同僚と自然に連携が取れた瞬間に「チームで働く心強さ」を感じます。

たとえば、ある利用者様が排泄の失敗をしてしまったときのことです。 私が対応に入っていると、すぐに別の職員が駆けつけ、処理用の袋を準備してくれました。また別の職員は、他の利用者様が近づかないよう安全確保に動いてくれるなど、言葉を交わさずとも見事な連携プレーが生まれたのです。

「一人じゃない。チームみんなで支えているんだ」 そう実感できたとき、肩の荷が少し軽くなったのを覚えています。

入浴介助など、身体的な負担が大きい場面でも連携は欠かせません。安全に支援を終えて「お疲れさま!」と声を掛け合うとき、そこには確かな達成感と絆があります。

人を支える私たち自身も、仲間同士で支え合う」。この意識こそが、良い支援を続けるための土台なのかもしれません。


正直にお話しします。心が折れそうになる時

思うように支援が進まないとき

どんなに心を込めて関わっても、すぐにはうまくいかないこともあります。 何度お声がけしても拒否されてしまったり、工夫して支援方法を変えても変化が見られなかったりすると、どうしても無力感に襲われることがあります。

「自分の関わり方が間違っているのかな……」 そう落ち込んでしまう日もありますが、支援は「点」ではなく「線」で見るもの。時間をかけて関わり続けるうちに、ある日ふと信頼関係が芽生えることも少なくありません。

焦らず、利用者様それぞれのペースを大切にする。その難しさと尊さを、私は日々の現場から教わっています。


利用者様の不安定な感情を受け止めすぎてしまうとき

支援員は、利用者様の不安や怒り、悲しみといった強い感情を間近で受け止める仕事でもあります。 相手に共感するあまり、自分の感情まで揺さぶられてしまい、仕事が終わった後も気持ちを引きずってしまうこともありました。

そんな時は、自分なりのセルフケアを行うようにしています。 たとえば、深呼吸をして気持ちを落ち着けたり(タッピングなどのリラックス法もおすすめです)、ノートに今の感情を書き出して客観視したり。また、信頼できる同僚に話を聞いてもらうだけでも随分と楽になります。

支援員だって人間。落ち込む日があっても大丈夫」 そう自分に許可を出せるようになってから、以前よりも心が軽く、しなやかに働けるようになりました。


忙しさや人手不足で「余裕」がなくなるとき

福祉の現場では、時期によって人手が不足し、時間に追われてしまうことも現実としてあります。 そんな余裕のない状況では、職員間の連携がうまくいかず、「もっとこうしてくれたらいいのに」「これでは十分な支援ができない」と、もどかしさや焦りを感じてしまうことも。

「もっと一人ひとりに丁寧に関わりたいのに、業務を回すだけで精一杯」 そんな葛藤を抱える日もあります。 それでも、ふとした瞬間に利用者様が笑顔で「おはよう」と声をかけてくださると、さっきまでの疲れが嘘のように和らぎ、「やっぱり明日も頑張ろう」と思えてしまうのです。


しんどい気持ちを溜め込まずに乗り越えるコツ

私が長く仕事を続けるために大切にしているのは、「完璧を求めすぎないこと」です。 支援は人と人との関わりであり、そこに絶対的な正解はありません。

もちろん、転倒事故やヒヤリとする場面があると、「もっと注意していれば」「どうして気づけなかったんだろう」と深く自分を責めてしまうこともあります。命をお預かりする仕事ですから、責任の重さに押しつぶされそうになるのは、あなたが真剣に向き合っている証拠でもあります。

ですが、どうか一人で抱え込まないでください。 辛い時は同僚や上司に相談して共有する、しっかりと休息をとる、休日は仕事のことを忘れて好きなことに没頭する。 そうして心のバランスを意識的に整えることが、支援員として長く、笑顔で働き続けるための秘訣だと感じています。


まとめ|小さな変化に気づける喜びが、支援員のやりがい

支援員のやりがいは、目に見える大きな成果よりも、日常のささやかな変化の中にたくさん詰まっています。

「昨日よりも表情が柔らかくなった」 「今日はトイレでの排泄が成功した」 「お昼ご飯を美味しそうに完食してくれた」

そんな日々の小さな積み重ねこそが、私たち支援員にとってのかけがえのない宝物です。 もちろん、大変なことも悩むこともありますが、利用者様の笑顔や仲間の存在に支えられながら、これからも「その人らしい豊かな生活」を一緒に作っていきたいと思います。

支援員の仕事は、決して楽なことばかりではありません。 ですが、「誰かの役に立ちたい」「人の笑顔が見たい」という温かい気持ちを持っているあなたなら、きっとこの仕事の中に深いやりがいを見つけられるはずです。

あなたのその優しさは、誰かの毎日を明るく照らす、大きな力になります。 まずは無理せず、あなたのペースで歩んでみてくださいね。

 

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